技術資料

PHPでGoogle Analyticsデータを取得する初心者向けガイド:APIの設定からコード例まで

作成日:2024.12.25

Google Analytics Data API の有効化から、PHP を使った具体的なデータ取得手順まで、わかりやすく解説しています。初心者の方でも安心して実装できるよう、コード例も用意。

Google Analytics のデータを API 経由で PHP で取得する手順の解説です。

Google Analytics Data API の有効化

Google Analytics Data API を利用するためには、Google Cloudのアカウントが必要です。

Google Cloud のアカウントを作成し、サインインしたら、「プロジェクト」を選択、または新規に作成。

続いてコンソール画面上部の検索ボックスで「Google Analytics Data API」を検索して、API管理ページを開きます。
※似た名前の「Google Analytics API」というのもあるので注意

「有効にする」で、Google Analytics Data API を有効にします。

サービスアカウントの作成とAPIキーの作成

Google Analytics Data API のページから「認証情報」⇒「認証情報を作成」⇒「サービスアカウント」と進んで、サービスアカウントを作成します。

作成したサービスアカウントには、自動でメールアドレスが設定されます。このアドレスは後で使うのでメモっておきます。

サービスアカウントの一覧画面で、編集アイコンをクリックして編集画面を開き、「鍵」タブに移動。

「キーを追加」⇒「新しい鍵を作成」で、JSON形式を選択して、鍵を作成します。

秘密鍵が生成され、JSON形式でダウンロードできるので、ローカルに保存します。このJSONファイルは、後でPHPからAPIを呼び出す際に使用します。

Google Analytics 側の設定

続いて、上記で作成したサービスアカウントと、APIでデータを取得したい Google Analyticsのアナリティクスアカウントの紐付けを行ないます。

Google Analytics にログインし、「管理」⇒「アカウント」⇒「アカウントのアクセス管理」と進み、アカウントの追加を行ないます。

この際、追加するアカウントのメールアドレスとして、先ほど作成したサービスアカウントのメールアドレスを指定。権限は「閲覧者」で良いと思います。

あと、データを取得したいプロパティのIDをメモっておきましょう。プロパティ一覧で確認できる9桁程度の数値です。あるいは、プロパティの画面を開いたときにURLに含まれている「p000000000」の部分の「p」を除いた数値部分がプロパティIDです。

APIを使えるようにするための、Googleのアカウント周りの設定は以上。

ライブラリのインストール

PHPで Google Analytics Data API を利用するためのライブラリを composer でインストールします。

$ composer require google/analytics-data

PHP のコードサンプル

準備ができたので、ひとまずシンプルに「直近7日間のアクセスデータを上位25件」取得するコードを書いてみます。

取得するデータは以下。

pagePath
ウェブページのパス
pageTitle
ページのタイトル
activeUsers
サイトにアクセスした個別のユーザーの数
screenPageViews
ユーザーが閲覧したウェブページの数。いわゆるページビュー
screenPageViewsPerUser
アクティブユーザー1人あたりのユーザーが閲覧したウェブページの数
userEngagementDuration
ウェブサイトがユーザーのデバイスでフォアグラウンド表示されていた合計時間(秒単位)

「activeUsers」「screenPageViews」の降順でデータを取得します。

// APIキーのJSONファイルのパス(必ずブラウザではアクセスできない場所に設置すること)
putenv("GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS=/path/to/credential/xxxxxxxxxx.json");

// 使用するライブラリの指定
use Google\Analytics\Data\V1beta\Client\BetaAnalyticsDataClient;
use Google\Analytics\Data\V1beta\DateRange;
use Google\Analytics\Data\V1beta\Dimension;
use Google\Analytics\Data\V1beta\Metric;
use Google\Analytics\Data\V1beta\OrderBy;
use Google\Analytics\Data\V1beta\OrderBy\MetricOrderBy;
use Google\Analytics\Data\V1beta\RunReportRequest;

$property_id = '123456789'; // AnalyticsのプロパティID
$day = 7; // 7日間のデータを指定
$limit = 25; // 上位25件取得

$client = new BetaAnalyticsDataClient();
// 日付範囲設定
$start_date = (new DateTime())->modify("-{$day} days")->format('Y-m-d');
$date_range = array(
    new DateRange([
        'start_date' => $start_date,
        'end_date' => 'today',
    ]),
);
// ディメンション設定
$dimensions = array(
    new Dimension(['name' => 'pagePath']),
    new Dimension(['name' => 'pageTitle']),
);
// 指標設定
$metrics = array(
    new Metric(['name' => 'activeUsers']),
    new Metric(['name' => 'screenPageViews']),
    new Metric(['name' => 'screenPageViewsPerUser']),
    new Metric(['name' => 'userEngagementDuration']),
);
// 並び替え設定
$order_by = array(
    new OrderBy([
        'desc' => TRUE,
        'metric' => new MetricOrderBy(['metric_name' => 'activeUsers']),
    ]),
    new OrderBy([
        'desc' => TRUE,
        'metric' => new MetricOrderBy(['metric_name' => 'screenPageViews']),
    ]),
);
// リクエスト作成
$request = (new RunReportRequest())
    ->setProperty('properties/'.$property_id)
    ->setDateRanges($date_range)
    ->setDimensions($dimensions)
    ->setMetrics($metrics)
    ->setOrderBys($order_by)
    ->setLimit($limit);
$response = $client->runReport($request);
if(!$response){
    // エラー処理
    print "Error: Analytics Data API does not respond.";
    exit;
}
// 取得したデータの整形
$access_ranking = array();
foreach ($response->getRows() as $row) {
    $line = (object)array();
    $line->path = $row->getDimensionValues()[0]->getValue();
    $line->title = $row->getDimensionValues()[1]->getValue();
    if($line->path == '/') $line->title = 'トップページ';
    $line->active_user = $row->getMetricValues()[0]->getValue();
    $line->page_view = $row->getMetricValues()[1]->getValue();
    $line->pv_per_user = $row->getMetricValues()[2]->getValue();
    $line->duration = $row->getMetricValues()[3]->getValue();
    $access_ranking[] = $line;
}

var_dump($access_ranking);

その他のディメンションや指標のデータを取得したい場合は、公式リファレンスのディメンション指標の一覧を参照。

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この記事を書いた人

※上が私です。

奈良市を拠点に、26年以上の経験を持つフリーランスWebエンジニア、阿部辰也です。

これまで、ECサイトのバックエンド開発や業務効率化システム、公共施設の予約システムなど、多彩なプロジェクトを手がけ、企業様や制作会社様のパートナーとして信頼を築いてまいりました。

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