PHPでmPDFを使ってHTMLをPDFに変換する方法
作成日:2025.02.07
PHPのライブラリmPDFを使用して、HTMLドキュメントをPDFとして出力する方法を詳しく解説します。インストールから日本語対応まで、具体的なコード例を交えて説明します。
PHPのライブラリmPDFを使用して、HTMLドキュメントをPDFとして出力する手順を解説します。
mPDFのインストール
まずは、mPDFをインストールします。Composerを使用してインストールする場合は、以下のコマンドを実行します。
composer require mpdf/mpdf
※Composer自体のインストールについては、XAMPP環境にComposerをインストールする方法を参照。
テストコードの実行
以下のコードを実行すると、HTMLドキュメントをPDFとして出力できます。
require_once __DIR__ . '/vendor/autoload.php';
$mpdf = new \Mpdf\Mpdf();
$mpdf->WriteHTML('<h1>Hello world!</h1>');
$mpdf->Output();
PDFファイルをダウンロードさせる
上記の例ではPDFをそのまま出力しますが、ダウンロードダイアログを出して、ユーザーにPDFファイルをダウンロードさせるには、以下のようにします。
$mpdf->Output('filename.pdf','D');
// または
$mpdf->Output('filename.pdf',\Mpdf\Output\Destination::DOWNLOAD);
// mPDFハージョン8.1.2以上では
$mpdf->OutputHttpDownload('filename.pdf');
PDFのプロパティで表示される各種情報を設定する
PDFのプロパティで表示される各種情報(著者、作成者、タイトル、サブジェクト、キーワード)を設定するには、以下のようにします。
$mpdf = new \Mpdf\Mpdf();
$mpdf->SetAuthor('Tatsuya Abe');
$mpdf->SetCreator('Application Name');
$mpdf->SetTitle('Document Title');
$mpdf->SetSubject('Subject');
$mpdf->SetKeywords('Keyword1, Keyword2');
$mpdf->WriteHTML('<h1>Hello world!</h1>');
$mpdf->OutputHttpDownload('filename.pdf');
ダウンロードしたPDFファイルのプロパティを見ると以下のように設定されているのが確認できます。

日本語を出力する
まずは試しに日本語をそのまま出力してみます。
$mpdf = new \Mpdf\Mpdf();
$mpdf->WriteHTML('<h1>こんにちは</h1>');
$mpdf->Output();
mPDFは初期状態では日本語に対応したフォントが指定されていないので、以下のスクリーンショットのように、日本語は文字化けしてしまうと思います。

というわけで、日本語に対応したフォントを指定する必要があります。
mPDFで使用するフォントファイルは、vendor/mpdf/mpdf/ttfonts に入っています。ここに、日本語に対応したフォントの ttfファイルを入れます。
今回は、Google Fonts の Noto Sans JPの ttfファイルをダウンロードして使ってみます。
NotoSansJP-Regular.ttf を vendor/mpdf/mpdf/ttfonts のディレクトリに入れておき、以下のようにフォントを指定して mPDF を実行。
$mpdf = new \Mpdf\Mpdf([
'fontdata' => [
'notosansjp' => [
'R' => 'NotoSansJP-Regular.ttf',
],
'default_font' => 'notosansjp'
],
]);
$mpdf->WriteHTML('<h1>こんにちは</h1>');
$mpdf->Output();
これで、日本語が出力できます。

mPDFが対応しているHTMLやCSS
mPDFが対応しているHTMLやCSSは、以下のドキュメントを参照。
- HTML Tags - HTML support - mPDF Manual
- HTML Attributes - HTML support - mPDF Manual
- Supported CSS - CSS & Stylesheets - mPDF Manual
mPDFは結構古いライブラリなので、flexboxやgridのようなレイアウト手法には対応していません。ある程度凝ったレイアウトを実現するには、懐かしの float: left; とかでレイアウトするか、いにしえのテーブルレイアウトなどを採用する必要があります。
とはいえ、PHPで動的にPDFを出力したいというニーズは、帳票などの出力がメインとなると思うので、むしろ帳票ならテーブルタグを使うのが本来の形のような気もします。

奈良市を拠点に、25年以上の経験を持つフリーランスWebエンジニア、阿部辰也です。
これまで、ECサイトのバックエンド開発や業務効率化システム、公共施設の予約システムなど、多彩なプロジェクトを手がけ、企業様や制作会社様のパートナーとして信頼を築いてまいりました。
【制作会社・企業様向けサポート】
Webシステムの開発やサイト改善でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。小さな疑問から大規模プロジェクトまで、最適なご提案を心を込めてさせていただきます。
ぜひ、プロフィールやWeb制作会社様向け業務案内、一般企業様向け業務案内もご覧くださいね。
Response APIのWeb Search機能をPHPで実装:最新情報を取得できるチャットボットの作り方
2025.03.17
Response APIの新機能"Web Search"を使って、インターネット上の最新情報を取得できるチャットボットを作ります。PHPによる実装方法や、APIレスポンスの処理方法など、実用的な内容をコード例とともに解説していきます
OpenAIの新APIを使ってみた:Response APIによるチャットボットをPHPで実装
2025.03.16
OpenAIが新たに発表したResponse APIを使用して、PHPでシンプルなチャットボットを実装してみました。Chat Completions APIとの違いや、実装時のポイントを、実際のコード例と共に解説します。特に会話履歴の管理方法の違いに注目して、両APIの特徴を比較しています。
chakoshiで問合せフォームへの無差別営業メール対策に挑戦してみる
2025.03.09
新サービス「chakoshi」を実際に体験し、問合せフォームへの無差別営業メール対策としてどのように利用できるかを検証しました。プレイグラウンドでのカスタム検知項目の設定から、APIキーの取得、PHPによるAPI連携の実装手順まで、具体例とスクリーンショットを交えて解説します。
SimpleSAMLphpを使ったPHPアプリケーションのSSO対応ガイド
2025.02.11
SimpleSAMLphpを使ってPHPアプリケーションにSSO機能を追加する方法を紹介します。Microsoft Entra IDとの連携方法や、認証情報の取得方法について詳しく解説します。